【PJCS2021本戦】雷氷ボルトキュウコン【最高1577 最終43位】
こんにちは。四畳半です。
今回は5月9日に行われた招待制インターネット大会【ポケモンジャパンチャンピオンシップス2021本戦】の振り返りと使用した構築の紹介です。
構築経緯
PJCS2021予選を突破した数日後、本戦が伝説ルールではなく所謂全国ダブルだということが判明したところからスタート。
全国ダブルを今までほとんどやってこなかったこと、本戦まで1ヵ月切っていることを踏まえて今から新しい構築を考えて挑むのは厳しいと判断しました。
そこで、自分が一番使い慣れている構築はなんだろうと考えたところ、予選で使用したゼクロムキュワワーが浮かび上がりました。
並びはこの6匹です。
簡単に説明すると、弱点保険ゼクロム+ドレインキッスキュワワーのコンボと雨乞いボルトロス+スカーフ水ウーラオスによる奇襲です。
直近まで使用していたので色々と慣れている部分も多く、この構築を全国ダブル用にアレンジすることが決定しました。
まず変更するポケモンはゼクロムです。今回は伝説ポケモンは使えないので必然的に代役を考える必要があります。
ここに求める要素は以下の通りです。
①ドレインキッスで弱点保険を発動できる
②非ダイマックス、ダイマックス中、ダイマックス後に関わらずいつでも強い動きができる
③相手のポケモンを一撃で倒せるくらいの高火力
④トリックルーム下で運用しやすい素早さ
⑤読まれにくい
①はギガドレインキュワワーだとウーラオスに強いという唯一の個性がなくなるため、②~⑤はゼクロムと同じような運用をするためです。
そこで候補に挙がったのがレジドラゴです。
非ダイマックス時のドラゴンエナジー、ダイマックス中の超火力ダイドラグーン、ダイマックス後の弱点保険ドラゴンエナジーor大爆発と隙がありません。フラワーヒールでドラゴンエナジーの火力が戻るのもおしゃれポイント。
物理か特殊かも初見では判断しにくく、拘りスカーフの可能性もあるので相手に対策を強いることができます。
これでとりあえずレギュレーションに違反することはなくなりました。それはいいのですが、ここでとある問題が発覚しました。カプ・レヒレがきつすぎます。
ゼクロムと違ってレジドラゴは電気打点が雷の牙しかありません。さらに、ミストフィールドでドラゴン技の威力が半減されます。
そこで次に変更したポケモンはピッピです。レヒレに打点が全くないのでサポートよりも殴れるポケモンが必要だと思いました。とは言え、ここに入れたいポケモンは実はかなり前から決まっていました。アローラキュウコンです。
必中の吹雪は通りが良く雑に削りながら常に10%の氷を2匹に押し付けることができます。さらに霰でボルトロスのウェザーボールの威力を上げながら氷タイプにすることができます。めざ氷ボルトロスの強さは過去の世代をやっていた方ならご存知でしょう。フリーズドライでレヒレやウオノラゴン、キングドラに打点が持てるのも高評価です。
というわけで並びだけは完成しました。しかし、ここでまたもう一つの問題が発覚します。メタグロスが倒せません。
ウーラオスが悪ならいいのですが、スカーフ水ウーラオスの一貫性の強さは身に染みて分かっているのでここは変えたくありません。そこで、何かいい技ないかなとポケ徹を眺めているとアローラキュウコンがイカサマを覚えることが分かりました。これによって一見不利な地均し+弱点保険メタグロスを何もさせずに倒すギミックが完成して構築がまとまりました。
構築
コンセプト
・相手の想定外の技を通す
・レジドラゴでレヒレを誘って倒す
・特定の並び(コータスバナ、ロンゲ展開、地均しグロス、ドラパタンザン)にイージーウィンを狙う
個体解説
臆病
H4 C252 S252
155-×-90-177-100-179
CSぶっぱ
本構築のメインダイマックスアタッカーです。一般的にダイマックスボルトロスは負けん気の物理型が主流ですが、今回は特殊アタッカーでの運用になります。悪戯心の特殊ベースにするメリットは以下の通りです。
①相手のリフレクターを無視できる
②積み技(悪巧み)が使える
③電磁波が使える
④ウェザーボールが使える
⑤怪電波やバークアウトを打たれない
特にオーロンゲの壁展開に強くなります。基本的に相手はリフレクターから入ってくるので1ターンのアドバンテージを得ながら隙あらば悪巧みを積むことができます。
ウェザーボールはキュウコンを出すことで威力130のダイアイスになります。本来なら一撃で倒せないガブリアスやランドロスに想定外の打点を与えることができます。晴れ状態のフシギバナにはダイバーンが致命傷になります。
電磁波はダイマックスを切らない時のS操作として役立ちます。怖い顔でない理由はセキタンザン対策です。
S+6の準速セキタンザンは実数値328、電磁波が入ると164、怖い顔なら246になります。後述するスカーフ水ウーラオスのSは実数値223なので怖い顔では抜けません。ちなみに最速ウーラオスの素早さは163なので相手のセキタンザンは電磁波を受けても抜けると思い居座ってきます。そこを電磁波とスカーフを合わせて上からワンパンできます。
レヒレに強いのは言うまでもなく、負けん気を考慮すると相手は怪電波やバークアウトを打てないので常に安定した高火力を維持できます。物理型と違ってダイジェットを使えませんが、それを差し置いても強かったです。
臆病
H4 C252 S252
149-×-95-133-120-177
CSぶっぱ
存在するだけでボルトロスを強化できるポケモン。吹雪+霰による削りが優秀です。
鋼と水以外には吹雪が一貫し、鋼にはイカサマ、水にはフリーズドライがあるためほぼ全てのポケモンと対等に殴り合えます。特にイカサマは考慮されにくく、弱保ダイマックスメタグロスや弱保ダイマックステッカグヤをボルトロスのダイサンダー+イカサマで何もさせずに倒すことができます。
晴れ状態のフシギバナに死に出しして天候を霰に変えることで、フシギバナの上を取りながら吹雪を当てることができます。終盤にこの動きを狙えると眠り粉による負けを防げて便利です。
ムーンフォースは特に打ちたい相手がいないので不採用になりました。
冷静
A60 C252 D196
275-128-70-167-95-90
A:+2ダイサンダーでH236レヒレを高乱数で倒せる
C:ぶっぱ
D:残り
S:味方のガオガエン-1
特定の並びにめちゃくちゃ強いポケモン。ゼクロムの替わりに採用したらカイオーガに近い性能をしていました。
キュワワーと相性が良く、ドラゴンエナジーは主にトリル下で運用します。守る+トリックルームで弱点技を受けた後にフラワーヒール+弱保ドラゴンエナジーで相手を壊滅される動きが強力です。
ダイマックスとの相性も良く、+2ダイドラグーンはダイマックスフシギバナやポリゴン2、サマヨールをワンパンできる火力があります。
大爆発はダイアタックの元になるだけでなくダイマックス後の散り際に打つと強力です。雷の牙はダイサンダーでレヒレを倒しながらフィールドを変えてドラゴン技の通りを良くしたり、欠伸を無効化することができます。
晴れパのような得意な並びに対しては1匹だけで全員倒せるポケモンではありますが、当然フェアリーが苦手です。オーロンゲやエルフーン、ピッピは初手に出てくるので裏に置いておけば特に問題ありませんが、レヒレ入りには極力出さないようにします。レヒレに勝てる選出は別に用意しているのでその場合はお留守番になります。
穏やか
H252 B12 D244
158-×-112-102-177-120
HB:陽気A252ランドロスのダイジェット耐え
HD:臆病C252レジエレキの珠ダイサンダー耐え、控え目C252フシギバナの珠ダイアシッド耐え
唯一のサポートポケモン。悪ウーラオスに滅法強いことに定評があります。
ドレインキッスとフラワーヒールは特性のヒーリングシフトによって優先度が+3になり、あらゆる行動よりも先に発動できます。具体的にはS120未満の猫だまし、サイドチェンジ、しんそく等の先制技などです。特に猫だましより先に打てるのがとても便利です。
レジドラゴへのダメージを考慮してC個体値を下げることも考えましたが、ミリ耐えした相手を落とせる可能性を少しでも上げるためにそのまま使用しています。
予選では襷を持たせて場持ちを良くしていましたが、全国ダブルでは全体的な瞬間火力が下がったこともあり持ち物をメンタルハーブに変更しました。レイスポスが毎回挑発してきたのでこの変更は正解だったと思います。
同様の理由で守るを抜いて手助けを入れています。これにより、どのポケモンの横にいても腐ることがなくなって運用しやすくなりました。
意地っ張り
H252 A156 B4 D12 S84
202-170-111-×-112-91
A:手助けダイサンダーでH252レヒレ確定、手助けダイアークでフレンドガードダイマックスレイスポスを確定、ダイアーク+ドラゴンエナジーでポリゴン2を高乱数
HB:威嚇込みの特化ブリザポスの珠ダイアース耐え
HD:特化レヒレのダブルダメージ濁流+シングルダメージ濁流耐え
S:味方のレジドラゴ+1、最速モロバレル抜き
アタッカーのガオガエンです。とんぼ返りは不要なので切りました。
キュワワーと並べてダイマックスする動きが強力です。手助けダイサンダーでレヒレを倒せば裏のレジドラゴで残りを一掃できます。ダイアークのDダウンと裏の特殊ポケモンの相性も良いです。
Sをレジドラゴより速くしているので、低速構築にはガオガエンとレジドラゴと並べてダイアーク+ドラゴンエナジーが有効です。片方が速ければ猫だまし+ドラゴンエナジーも狙えます。
ブリザポスと唯一殴り合えるポケモンなのでHP管理が重要です。チョッキを持ちながらフラワーヒールで回復できるので特殊相手にはずっと居座り続けられます。
意地っ張り(通常ダイマックス個体)
A252 D4 S252
175-200-120-×-81-149
ASぶっぱ
唯一予選から全く変更のないポケモン。高速高火力の水技を守る貫通+威嚇無効+壁無効+襷貫通で打てるのが便利です。
オーロンゲレイスポスのような壁展開にはオーロンゲの横に水流連打を打っているだけで勝てます。襷レイスポスも中乱数で落とせます。
悪でない理由は専用技の一貫性を評価した結果です。レジドラゴがフェアリーに弱いのでニンフィアやオーロンゲを削れる水の方がこの構築には合っていると判断しました。
相手視点ではメタグロスがめちゃくちゃ重そう=悪ウーラオスと想定してくれることが多いように感じました。初手にセキタンザンやニンフィアが来てくれるとボルトロスと並べて1匹ずつ処理していけば試合展開を有利に進めていけます。
雷パンチがあるのでガオガエンと同様に手助けダイサンダーでレヒレを倒せます。
選出
基本選出1
+
+
対応範囲が一番広い選出です。ダイマックスボルトロスとキュウコンで場を荒らしながらチョッキガエンとスカーフウーラオスで〆ます。
基本選出2
+
+or
レヒレがいない構築に対する選出です。ドラゴキュワワーの高火力で相手の残数を減らしていきます。
基本選出3
+
+or
ガオガエンがダイマックスする選出です。トリルからダイアークを連打してどちらかが倒れたらレジドラゴを出してドラゴンエナジーで一掃します。
対オーロンゲ展開
+
+
オーロンゲ+ニンフィアorレイスポスが来るので、ニンフィアの場合はダイサンダーと水流連打をニンフィアに重ねて処理、レイスポスの場合は水流連打をレイスポスに、ボルトロスは悪巧みを積みます。裏からメタグロスが来るのでいい感じに削りながらダイマックスターンを稼ぎ、裏のイカサマキュウコンでメタグロスを処理。ラストのレヒレに2対1の状況を作って雷パンチやフリーズドライを押して勝ちです。
対コータスバナ
+
+
弱保ダイドラグーンでダイマックスフシギバナやポリ2を飛ばしながら残数を減らしていきます。終盤に残った晴れ状態のフシギバナにアローラキュウコンを投げて天候を霰にするとS関係を逆転しながら吹雪が通ります。
対セキタンザン
+
+
電磁波+水流連打をセキタンザン方向へ。ダイマックスを切ってくれたら上からワンパンして勝ちです。相手視点では悪ウーラオスに見えるので大体初手に来てくれます。
対地均し弱保メタグロス
+
+
ダイサンダー+イカサマをメタグロス方向へ。メタグロスのSが120以下だった場合、イカサマが上から通って勝ちです。
対ピッピレイスポス
+
+or
相手は手助け+ダイアースでガオガエンを倒しに来るので手助け+ダイアークでダイマックスレイスポスを倒します。
+
+
ダイマックスボルトロス+キュウコンを並べます。ダイサンダー+吹雪orイカサマでテッカグヤを狙いつつ、裏のスカーフウーラオスで〆ます。たまにいるウツロイド入りには初手にウーラオスを選出し、ガブリアスが来たらウーラオスをキュウコンに下げながらダイアイスを押すことで勝てます。
戦績
〇〇×〇×〇×〇〇×〇〇〇×〇〇××
TN:よじょうはん
戦績:11-7
最高レート:1577
最終レート:1540
最終順位:43位/150位
レンタルチーム
現在のランクマッチでも使用できるので良かったら使ってみてください。
感想
あと1戦勝てればオフライン大会出場条件の上位20名に入れる……というラインまでは行けましたが、肝心なところで勝ちきれなかったのがとても悔しいです。
とは言え、自分がやりたかったことはちゃんとできて楽しかったです。最低限の汎用性を保ちながら初見殺し要素を詰め込んだ構築はやはり自分に合っていると再確認しました。
追記
PJCS2021本戦の結果が43位だったので、来年にロンドンで開催予定のWCS2022のDay1の権利をいただきました。初めての世界大会なので頑張りたいです。